慢性中耳炎とは
慢性中耳炎は、急性中耳炎の悪化や外傷が原因で、中耳に炎症が持続して、鼓膜に穴があいたままの状態のことをいいます。
慢性中耳炎の症状は、耳だれと難聴です。中耳炎が悪化すると発熱が起こります。
通常、鼓膜に穴があいても自然に治ることがほとんどですが、中耳炎が持続すると自然に穴が塞がらないことがあります。
常に鼓膜に穴があいているため、耳から細菌やウイルスが入り耳漏が起こりやすくなり、注意が必要です。
▼鼓膜の穴があいている状態
慢性中耳炎の原因・メカニズム
子供の頃に、滲出性中耳炎の治療がうまくいかなかったり、頻回に急性中耳炎を繰り返したため、耳の骨がうまく成長しない(側頭骨の含気化が進まない)と、何らかの原因で鼓膜に開いた穴がそのまま残ってしまいます。
鼓膜に穴が開いたままの状態が続くと、耳だれや難聴といった症状が起こりやすくなります。耳だれを繰り返すと、少しずつ難聴が悪化していき日常生活に支障をきたすため、早めの治療が必要です。
慢性中耳炎の治療
まずは、耳漏の原因となっている細菌を殺すために抗生物質の内服薬、点耳薬を処方します。
耳の中を清潔にして感染を抑えるために、生理食塩水で耳の中を洗浄する処置(鼓室洗浄)を行います。
根治的治療は、鼓膜の穴を塞ぐ手術です。
小児では、耳の機能(耳管機能)が成長途中であるため急いで手術は行いません。
中学生以降になった際に、鼓膜の穴を塞ぐために自分の筋膜を張る手術(鼓膜形成術・鼓室形成術)を行います。