副鼻腔炎とは
副鼻腔とは顔の前面にある空洞で、鼻の中と繋がっており、空気が自動的に流れ込む構造になっています。この副鼻腔が炎症を起こすことを副鼻腔炎といいます。
▼イラストの赤い部分が副鼻腔に貯まった膿です。
膿性鼻漏・発熱・鼻づまり・頭痛・頬の痛み・嗅覚障害などの症状が引き起こされます。また、炎症が重度の場合には、視力障害などの眼の合併症や、髄膜炎を引き起こすケースもありますので注意が必要です。
副鼻腔炎のメカニズム・原因
・急性副鼻腔炎
風邪を引いた時、細菌やウイルスが鼻の中に入り込んで炎症を起こします。アレルギー鼻炎のコントロールがうまくいかないと副鼻腔炎になりやすいです。
・慢性副鼻腔炎
急性副鼻腔炎は通常1ヶ月以内で改善するのですが、鼻づまり、膿性鼻漏が3か月以上続く状態を慢性副鼻腔炎といいます。症状が進むと鼻に鼻茸(=ポリープ)が起こってきます。
副鼻腔炎の診断
1.まず鼻腔内の内視鏡検査を行い、副鼻腔に膿の貯まりができているかを確認します。
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正常な鼻の様子
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副鼻腔炎を起こして鼻内に粘稠な鼻漏が貯まっている。
2.経過が長いときにはCT検査を行います。
副鼻腔炎以外に、副鼻腔真菌症、副鼻腔がん、歯性上顎洞炎の可能性がないか調べていきます。
副鼻腔炎の治療
副鼻腔炎の治療は、鼻腔内の清掃、ネブライザーの吸入、抗生物質や消炎剤などを使用して治療を行います。急性副鼻腔炎の治療がうまくいかないと慢性副鼻腔炎(ちくのう症)に移行することもあるため、早期に、確実に治療することが必要です。
慢性副鼻腔炎になってしまったときにはこれらの治療に加えて、以下の治療法があります。
(1)マクロライド療法
マクロライドという抗生物質を通常量の半量、3ヶ月間内服する方法でマクロライド療法と呼ばれ、現在盛んに行われています。軽症の場合は、マクロライド療法のみで完治が期待できます。
(2)手術
重症の副鼻腔炎には手術が必要になります。以前は歯ぐきを切って頬の骨に穴を開ける手術が行われていましたが、現在では内視鏡を使って鼻の穴から手術する内視鏡下鼻内手術が主流です。手術が必要な場合は、当院の連携病院をご紹介いたします。