急性中耳炎とは?
耳の構造は手前から外耳、中耳、内耳でできています。
急性中耳炎とは、細菌やウイルスによって、中耳が炎症を起こし、耳が痛くなる病気です。
中耳炎になると、下記のような症状が現れます。
・耳の痛み
・発熱
・耳だれ
・難聴
耳の痛みを訴えられない乳児やお子様の場合、炎症が強くなり、耳だれが出てから中耳炎に気づくことも少なくありません。お子さんが耳を触るような動作を繰り返す時には、急性中耳炎を起している可能性があり注意が必要です。
もし気になるようでしたら、耳鼻咽喉科への受診をお勧めいたします。
<急性中耳炎の鼓膜>
右の鼓膜が赤く腫れて、その奥に膿が貯まっています。
急性中耳炎の原因とメカニズム
鼻の奥にある中耳へとつながる「耳管」と呼ばれる管から細菌やウイルスが入って中耳に感染することで炎症が引き起こされます。
急性中耳炎の特徴は、風邪の初期よりも、治りかけの頃に、耳に痛みが起こりやすいことです。風邪を引いてからすぐに中耳炎になることもあるのですが、3〜4日後に中耳炎が起こることが多いです。これは風邪を引いた時、鼻の奥にいる細菌やウイルスが、耳管を上って中耳に到達するまでに、3〜4日かかることが原因です。
特にお子さんは大人と比べて耳管が太く短いため、鼻や喉に付いた細菌やウイルスが中耳に広がりやすく、風邪の影響を受けて中耳炎になりやすいのです。
急性中耳炎の治療
炎症を引き起こす細菌を抑えるために、抗生物質や痛み止め、点耳薬を処方します。
また鼓膜内に膿が多い時や熱が高い時には、鼓膜に数mmの穴を開けて、膿を抜く「鼓膜切開」という手術を行います。「手術」や「切開」という言葉を聞くと怖く感じる方もいらっしゃると思いますが、この手術を行い、膿を抜いてあげることで早く痛みが治まり、治りも良くなります。鼓膜に開けた穴は、通常1週間以内に塞がります。手術の際には麻酔をしますので、痛みはほとんど感じません。中耳炎の痛みが強いときには、鼓膜切開をお勧めいたします。
鼻水が多い時には、鼻のおそうじやネブライザーを行います。
耳漏が多いときは、耳の清掃を頻回に行うと早く治ります。